NMNサプリメントの原材料としての添加物
公開:2024年01月25日目次
1.NMNサプリメントを選ぶ際に参考にすべきこと
話題のエイジングケア成分である「NMN」のサプリメントは、300種類以上も販売されています。あなたはNMNサプリメントを選ぶ際に、何を参考にしていますか?せっかく健康のためにNMNサプリを飲むなら、安全な製品を選びたいですよね。
今回は、NMNサプリメントに含まれる原材料や、添加物の安全性・必要性についてお伝えします。
2.サプリメントを作る上で必要な添加物
健康に気を使われている方の中には、「添加物は嫌だ」「無添加のものが良い」とお考えの方も多いでしょう。ですが、サプリメントや薬を作るためには、必要不可欠な添加物もあります。NMNサプリメントに使われることが多い原材料について、どういった役割の成分なのか説明します。
2-1.主成分の確認
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が、NMNサプリメントの主成分です。最も中心的な原材料なので、成分表の1番前に記載されているのが望ましいでしょう。なぜなら、日本の食品表示法では、一番多く含まれている原材料から順番に表示することになっているからです。
2-2.澱粉(でんぷん)
澱粉は、賦形剤(ふけいざい)の一種で、ほとんどのサプリメントや医薬品に使われるものです。サプリメントや薬は、粉状の主成分を固めて錠剤にするか、カプセルの中に入れる方法で作られます。サプリメントや薬に使われる主成分は、人の体にとって安全な量だけを使用するので、ごく少量しかないことが多いのですが、主成分だけを使うと、小さくて扱いにくい製品になってしまいます。そこで、澱粉を使います。澱粉は、飲みやすく扱いやすい大きさの製品を作るために、粉の量を増やす目的で使用されます。主成分の味がよくないときなどにも、薄める目的で添加される場合もあります。
澱粉をはじめ、賦形剤として使う成分には以下のような条件があります。
・人の体に何の効果も持たないこと
・安全性が高いこと
・品質が一定で安価なこと
・有効成分と反応しないこと
その他の賦形剤の一例
・乳糖
・セルロース
ただし、サプリメントの中には、ほとんどが賦形剤で主成分はごくわずかというものも存在します。成分表を見て、製品の品質の良し悪しを確認しましょう。
2-3.HPMC
HPMCは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)のことで、カプセルの材料として使われます。食品への添加も認められています。
HPMCには以下のような特徴があります。
・無味無臭
・ほかの成分と反応しにくい
・時間が経過しても劣化しにくい
・植物由来の成分
多く摂取しても体への影響はないことがわかっていますので、1日数カプセル分のHPMCを摂取しても全く問題ありません。
2-4.ステアリン酸カルシウム
ステアリン酸カルシウムは、さまざまな用途で使われる添加物です。サプリメントや薬としても使われます。ほとんど体内に吸収されず、体への影響も報告されていません。NMNのサプリメントでは、カプセル内の粉末の流動性を高める目的にステアリン酸カルシウムが添加されています。カプセルに充填する際、主成分と賦形剤などの添加物が均一に混ざらないとサプリメントや薬の品質を一定に保つことができません。ステアリン酸カルシウムを加えることで、粉の流動性が高まり、均一に混ざりやすくなります。ステアリン酸カルシウムは、品質を保つために必要な添加物ということです。
2-5.二酸化ケイ素
二酸化ケイ素は、固結防止剤として使われる添加物です。カプセル内に充填する前の粉が、ダマになってしまわないようにする働きがあります。ダマになると主成分が均一にカプセルへ充填できない可能性があるため、二酸化ケイ素も品質を保つために必要な添加物といえます。こちらもほとんど体内へ吸収されません。
2-6.危険な添加物
一部の添加物は過剰摂取により健康に影響を与える可能性があります。疾患発症のリスクを高める可能性が指摘されている食品添加物もありますので、摂取には注意が必要です。NMNサプリメントで使用されているものとしては、アスパルテーム、クエン酸ナトリウム、リン酸塩などは避けた方が良いでしょう。
2-7.プラスαの成分
NMN以外に、エイジングケアや美容の目的でさまざまな成分を配合した製品も多く販売されています。自分の体にその成分が必要なのか、不必要なプラスαの成分が含まれる影響でコスパが悪くなっていないかなどをよく検討しましょう。エイジングケアや美容に良いとされる成分も、量が十分含まれていなければ意味がありません。わずかに含まれているだけでサプリメントのコストが上がってしまっているのであれば、無意味といえるでしょう。
3.まとめ
今回は、NMNのサプリメントを選ぶ際に考える方も多い「添加物」の必要性・安全性について解説しました。サプリメントの選び方として、コストだけでなく、含まれる成分にも注目してみてください。
参考資料
日本医薬品添加剤協会 ヒプロメロース
http://www.jpec.gr.jp/detail=normal&date=safetydata/ha/dahi5.html
日本医薬品添加剤協会 ステアリン酸カルシウム
http://www.jpec.gr.jp/detail=normal&date=safetydata/sa/dasu20.html
日本医薬品添加剤協会 二酸化ケイ素
http://www.jpec.gr.jp/detail=normal&date=safetydata/na/dani2.html
- この記事を執筆した専門家
薬剤師中山アユム